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『お仏壇選びのチェックポイント』

 お仏壇を購入する時、まず気になるのが値段ではないでしょうか。お仏壇の値段は、一目見ただけでは全くわかりません。具体的に何が値段の差をつくっているのでしょう。
 それは「どんな材料を使っているか」「完成までにどれだけ手間をかけているか」。この2点が値段を決めているといってよいでしょう。

 
1.どんな材料を使っているか
 お仏壇には、大まかに分けて金仏壇と唐木仏壇とがあります。
 金仏壇の場合、重要なのが漆と金箔です。漆は国産か外国産かで品質が異なりますし、漆に似せた別の塗料を使っている場合もあります。また、金箔は純度によって値段に相当影響が出ます。
 唐木仏壇の場合、素材の木に何を使っているかが重要です。唐木仏壇の美しさは、唐木と呼ばれる材木の色や木目が、いかに美しいかで決まります。使われる唐木のほとんどは、高価なもので、特に上等なものの代表としては黒檀と紫檀ですが、黄王檀(黄金檀)や黒柿も高級品とされています。和木が使われている場合もあり、屋久杉や桑なども高級品とされています。
 
2.どれだけ手間をかけているか
 材料と同様にお仏壇の価値を決めているのが、どれだけ優れた技術で、どれだけ手間をかけて作られているか、ということです。お仏壇はきわめて高度な技術によって作られる伝統工芸品です。お仏壇を作るには、普通、数人の職人がかかわっています。最近は工業的に生産されることも多くなってきましたが、それでも職人の技術なしにお仏壇を作ることはできません。
 まず、金仏壇の場合、漆と金箔が重要な作業になります。漆を塗るということは、高度な技術が必要なだけでなく、気温や湿度といった天候にも塗り具合が左右されてしまいます。また、少しでも技術が未熟だと、漆が垂れて跡が残ってしまったり、色むらができたり、はがれたりします。金箔については、金の純度がどのくらいかということに加えて、厚さも問題になります。厚いほうから三枚掛、二枚掛、一枚掛とあり、厚いもののほうが高価になります。
 次に唐木仏壇の場合、練り工法と呼ばれる工法によって価格に差が生じます。唐木仏壇は、実際には目に見えるところだけに唐木が使われているものが多いようです。芯材の表面に、5〜7ミリメートルにスライスした唐木の板を張りつけるのです。この作業を「練り工法」といいます。前練り、二方練り、三方練り、四方練りとあり、どれだけ唐木を使っているかによって、値段が変わっていくのです。また、紙くらいの薄さにスライスした「ツキ板」と呼ばれる唐木を、木材の表面に張りつけた工法によるものや、木目を印刷したり、木目の印刷されたビニール・シートを張りつけたものなどもあります。
 これらの技術の他に、組み立ての際にきちんとホゾを組んで組み立てているか、接着剤を使って組み立てているか、彫刻や蒔絵などの細工にどれくらい手間をかけているかによって値段は変わってきます。

 お仏壇選びには値段も大切かもしれませんが、実際にこれらの条件を覚えておいて見極めるのは大変です。そこで最低限、気をつけてもらいたいのが「信頼できる仏壇店かどうか」です。
 営利主義に走らず、消費者の立場に立って考えてくれる店員がいるかどうか。消費者がなぜ仏壇を必要としているか、予算はどのくらいか、家の様子はどんな感じかなどの情報をもとに、真剣に探してくれる店こそ、信頼のおける店ではないでしょうか。お仏壇を買ったら、その仏壇店とは一生のつき合いになります。アフターサービスも必要になりますので、なおさら信頼できる店を選びたいものです。

 


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