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『焼香・礼拝の仕方』

 焼香は仏教儀礼につきもので、釈尊在世当時から行なわれていました。焼香には、立礼の焼香、座礼の焼香がありますが、作法は少し異なります。
 立礼の場合、順番が来たらまず焼香台の前に進み、遺族と僧侶に一礼し、続いて身を正して頭を下げてご本尊に合掌拝礼します。そのあと香を右手の親指、人さし指、中指でつまみ、目の高さにいただいて香炉へ香を入れます。焼香がすんだら合掌し、最後にもう一度拝礼し、前向きのまま祭壇から2、3歩退いて元の席に戻ります(縁台等の立礼では2、3歩退く事はしません)。
 座礼の場合にも腰をかがめて祭壇前に進みます。喪主遺族に一礼してから前に進み、祭壇に向かって頭をさげます。次に膝で前へ進み遺影に向かって合掌してから抹香を右手につまんで額の高さまで上げ、香炉の上に落とします。そのあと再度合掌し、喪主に一礼して立ち上がってから退きます。
 式場が狭い時には、香と香炉を盆に乗せて回し焼香を行ないます。この時、本尊の方角に礼をし、香をつまんで焼香を行ない合掌礼拝して、隣の人に回します。
 焼香回数は宗派で規定され、真言宗では焼香3回、線香も3本立てます。 真宗大谷派では焼香は2回、浄土真宗本願寺派では1回、線香は立てないで折って寝かせます。また真宗では焼香に際して香を額におし戴きません。曹洞宗では焼香は2回、線香は1本です。
 焼香の際には、霊前まで進みます。そして喪主に一礼をして、祭壇に向かって合掌をします。このあと、線香を取りローソクで火をつけます。炎は手であおいで消して、線香を香炉に立てます。ここでもう一度合掌してから、そのまま後ろにさがります。最後に遺族に一礼をして、自席に戻ります。
 線香のあげ方も宗派によって違います。長いまま1本をあげる臨済宗、離して3本の真言宗、寝かせるのが浄土真宗や日蓮宗です。
 神式の場合、神職および遺族に一礼してから玉串を両手で受け取ります。玉串は右が枝元、左に葉がくるように渡されますから、右手の親指を下にし左手で支えるように受け、枝元が胸の高さになるようにやや持ち上げて一礼します。次に祭壇前に進んで玉串案に供えます。
 キリスト教式の場合、献花を行います。花が右、茎元が左にくるように渡されたら、両手で花を持って献花台の前に進み、花が手前になるように持ち直し、献花台に供えます。1、2歩下がり深く一礼し、司式者、家族に一礼して戻ります。

 


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