Web仏事百科事典 こころのこもった、供養のための仏事まめ知識
Web仏事百科事典Topに戻る


『修理と買い換え』

 長年使ってきた愛着のあるお仏壇や、親や祖父母の残してくれた歴史のあるお仏壇はそれだけで価値のあるものです。お仏壇は、きちんと手入れさえしていれば、50年でも100年でも使えるのです。時々修理をしながら大切に使い続けたいものです。
 お仏壇を修理することを「おせんたく」といいますが、本格的に「おせんたく」をすると、新品と区別のできない姿になって戻ってきます。ただし、お仏壇によっては「おせんたく」ができないものもあります。木目が印刷されているものや、素材の木に耐久性のない圧縮ボードを使用しているものがそうです。こうしたお仏壇のほとんどは「おせんたく」ができませんし、たとえできたとしても、買い換えたほうが安いということになってしまう場合もあります。
 修理をするためには、まず仏壇店の人を呼んで見積りをとってもらいましょう。お仏壇の種類や、壊れた程度によって、金額は違ってきます。見積りの時に気をつけたいことは、金額だけでなく、修理にどのくらいの日数がかかるのかということです。時には何カ月もかかることがあるので、注意しないと、年忌法要などの時にお仏壇がないという状態にもなりかねません。また、お仏壇を修理に出す時は、買い換えの時と同様に、修理に出す前に「魂抜き」、修理から戻ってきたら「魂入れ」の儀式が必要となることも忘れてはいけません。
 また、お仏壇を「おせんたく」に出している間に、ご本尊と位牌を安置する場所が問題になってきます。壇那寺にお願いして預かってもらう方法と、お仏壇が置いてあった場所にそのまま安置するという方法があります。家の中に安置しておけば、毎日お参りすることができますが、粗末な場所に安置するのはしのびないというのであれば、壇那寺に預かってもらいましょう。
 先にも述べましたが、修理が可能なお仏壇はきちんとした作りをしたものだけです。金額の高いお仏壇ならば、必ず修理ができるというわけではありませんが、一般的には高額のお仏壇ならば修理が可能で、金額の低いお仏壇は、修理がむずかしいという傾向があるようです。これは、お仏壇を購入する時の心構えとして覚えておくとよいでしょう。子どもや孫の代まで使ってもらいたいと思ったら、それなりのお仏壇を買われることをおすすめします。逆に、お仏壇を購入する時に、そのお仏壇が「おせんたく」のできるものかどうかを確認することも大切だということです。

 


Web仏事百科事典目次に戻る  このページの先頭に戻る