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『見ただけではわからないお仏壇』

 仏壇というものは、一流の職人たちが高度な技術でつくった伝統工芸品です。それゆえ専門的な目を持たない消費者にとって、ちょっと見たくらいでは、まず仏壇の違いはわからないでしょう。
 仏壇は大きく分けて、金仏壇と唐木仏壇があります。
 金仏壇の場合、高級品には塗装に漆を使っています。それに対して普通品にはカシューという塗料などを使っています。こうした違いは素人には全くわかりません。
 また唐木仏壇の場合、使っている唐木(銘木と呼ばれる木目の美しい木材)の種類(黒檀や紫檀など)によって価値が異なります。
 また唐木仏壇のほとんどが、黒檀や紫檀など高価な唐木を節約するために、他の種類の木を芯材に使い、その表面に5〜7ミリメートルの板を張りつけています(練り工法という)。前面だけに張りつけてるものから、側面や後側まで張りつけてあるものがあり、値段もそれによって変わってきます。中にはツキ板といって、紙のように薄くスライスした唐木を張りつけているものや、唐木風の木目を印刷したものまであります。
 ちょっと見ただけでは木目印刷の仏壇でも練り工法で手間をかけて作った仏壇と区別のつかないようなものもあります。
 見た目があまり変わらないのならば安いもののほうがいいじゃないかという人もいるかもしれませんが、年数を経るとはがれたり、壊れたりするものもあるのです。
 安いものを安い値段で、そのデメリットを納得して購入するのならばいいのですが、あとで予想もしなかったマイナス面がわかると、後悔をすることになってしまいす。
 もちろん多くの仏壇店では、安い仏壇のデメリットを説明することはありません。一部の良心的な店だけしか、そこまで説明をしてくれるところはありません。
 安い仏壇も、安い仏壇なりに、いいところもあります。だから安い仏壇を買うなというつもりはまったくありません。
 ただ、安いといっても、数十万円はするものです。他のものに比べたら決して安いとはいえないでしょう。だから後悔の無いように、それぞれの仏壇のいいところ悪いところを知った上で、納得して、購入をしたいものです。

 


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