『曹洞宗とは』 (歴史)
曹洞宗は臨済宗、黄檗宗とともに坐禅を中心とした宗派で、この三宗を総称して禅宗といいます。曹洞宗の名前は唐の時代の禅僧である洞山良价(とうざんりょうかい)(807〜869)と、その弟子である曹山本寂(そうざんほんじゃく)(840〜901)の名前をとったものです。
日本における曹洞宗の宗祖は高祖とよばれる道元(承陽大師・1200〜1253)と太祖と呼ばれる瑩山(常済大師・1266〜1325)です。
曹洞宗ではこの二人を両祖と仰ぎ、等しく崇敬しています。
道元は正治二年(1200)、内大臣久我通親の子として、京に生まれました。十三歳より比叡山で学び、十八歳で建仁寺に入り禅を学んだ道元は、貞応二年(1223)、宗に渡り、中国曹洞宗の如浄を師として曹洞禅を学びました。その後、安貞元年(1227)に帰国、宇治の興聖寺を経て越前(現在の福井県)に永平寺を建て、自らの理想とする正伝の仏法の提唱と弟子の養成につとめました。
いっぽう第四代の瑩山は日本の曹洞宗を有数の大教団に発展させる素地をつくりました。彼が能登に建てた総持寺は明治三十一年の火事により焼失したため、その後、横浜市鶴見区に移転し、永平寺とともに曹洞宗の大本山として今日に至っています。 (教え)
曹洞宗の教えはお釈迦さまから、インド、中国、日本の歴代の祖師たちに伝えられてきた仏心を伝統として、この伝統に基づき、これをそっくりそのまま受け継いだ道元、瑩山の両祖大師の教えに従って、只管打坐(しかんたざ)(ただひたすらに坐禅を行う)と即身是仏(そくしんぜぶつ)(座禅の心とすがたで、日常生活を生きてゆく)の二本の柱がその宗旨になっています。 (ご本尊)
曹洞宗のご本尊は釈迦牟尼仏(お釈迦さま)です。
お釈迦さまはインドに生まれ、修行のすえ坐禅によって悟りを開き、人々に光を与えました。智慧と慈悲をそなえたお釈迦さまを私たちは単に拝むのではなく、その教えを信じ学び実賎して行くことが大切です。
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